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*炎天下、昼下がりの新宿7丁目を歩いた。
グッドサルエリのところにキャストをとりに行ったのだ。
不思議なオヤジをみた。
この界隈、不思議な人は多いが、このオヤジ、
小柄で体重は50kg切るかもしれない。
日に焼けていて、カーキ色のパンツ(ポリエステル)、
マスタードイエローのオープンカラーシャツ
胸ポケットにワンポイント刺繍入り(ポリエステル棉混紡)、
素足にエンブレム刺繍入り黒色サンダル(足も小さい)、
オフホワイトのパナマハット、
ここまでは、ちょっと堅気ではない雰囲気を醸しているが、
この界隈ではごく普通の人だ。
このオヤジ、肩から胸のあたりにリボンを巻いていた。
コムサデモードのグレイ地に黒でロゴがはいったリボンを。
なんで????頭の中がパズルになった。
よく話で(映画、小説、女性週刊誌にみる女優のエピソードなど)
女が全裸にリボンを巻いてダーリンを迎える。
帰宅したダーリンがドアーを開けると、
”タラア〜!わたしがプレゼント!!”
というのがあるが、そういったやつ???
ひとには、ひとのわからない秘密があるのだ。
BGM;Choose me Teddy Penderglass
*O嬢の話に登場する男の中で、「彼女の元夫」が最も、
わたしの想像を掻きたてる。
もし彼が違う時代を生きたなら
例えば江戸時代を生きたなら、、、、
さしずめ脳天気な江戸の旦那であったろう。
無為を日常とし、することといったら、
昼寝と酒を飲むことと、女の尻をおいかけること。
人生の目標など考えたこともない。
女房には焦がれられ、子供は、すくすく育っている。
飄々として眼差しが優しい。
女たちにはもちろんのこと、道ばたのノラ猫にも愛
をふりまく。この男に限っては<愛の限界説>の枠
からはずれる。
うすぼんやりした男たちには、彼の魅力がわからない。
ふにゃふにゃしていて身体の芯がないように見えるからだ。
男たちは言う。あんな男のどこがいいんだ?
もし彼が女だったら、、、海辺の町に住む、
心も身体も開放的なオネエさん。
夜な夜な海岸に泊められたボートの陰で、
中学生に性の手ほどきをする。彼女は言う。
”お尻が冷たくなったから今夜はこれでおしまい。
明日学校があるし、キミもでしょ?”
ちゃっかり結婚をして、結婚後も開放的なのは相変わらず。
今度は場所を新婚のアパートメントに移して、
”夕ご飯の支度をしなくちゃいけないから、もう帰ってね、”
と言う。
もし彼が女で、江戸の時代に生きたなら、、、
吉原一の床稼ぎ。愛嬌も気っぷのよさもぴかいち。
一番鶏が鳴く頃、
”わちきはもう眠いでありんす、”などとのたまう。
[おいら、花魁のほうがいいなあどうせなら、]
と彼は言うだろう。たいていの男って、
”もし俺が女だったら、高級娼婦になって男から金を稼ぎまくる、”
と言うのだ。
けれども彼は21世紀に生きている。
ジル・サンダーのスーツに身を包み、
クライアントに自信たっぷりプレゼンテーションする。
毎日忙しく暮らしている。稼がなければ。
なにしろ愛人が7人もいるのだから。
いみじくもO嬢が言うように<ロマンスにはお金がかかる>
のだから。
彼はスマートで要領もいいので、仕事に時間をかけない。
仕事はサッサと片づけて、後の時間を女たちと過ごすのに費やす。
なにしろ愛人が7人もいるのだから。
時間の振り分け、持てる体力の配分も上手だ。
フットワークもいい。 生まれ落ちてからは、母親を楽しませた。
快活で愛くるしい子供だった。
彼の愛人の一人、『ジャッキー・スッチー・ブラウン』
ならこう言うだろう。
”母親はロングタームで彼を楽しむことが出来るけれど、
わたしは嫌だね。母親なら彼とベッドを共にできないもの。”
つい最近、ジャッキー・Bは彼の臍の穴に指を入れてみた。
彼女の子指の第一関節がほぼ埋まるほど深かった。
それでもなお、この男は愛らしい。
彼がジャッキー・Bに言った。
”こんどはCカントリーに飛ぶんだろ?Cのお土産が欲しいな。”
”嫌だね。犯罪者にはなりたくないもの。
麻薬犬にかぎつけられて、その日これといったニューズがなければ
顔写真つきでTVに流れるんだよ。そんなこと、小説の中で起
こること。”
ジャッキー・Bは、にべもない。
彼は、やんちゃで軽率で節操がない。
彼が歳をとったなら、使い古した毛布のような男になって、
女たちを包み込むだろう。
包み込む回数が人並みはずれて多いので、すり切れそうだ。
それはそれで心地よいのにちがいない。
O嬢は、どうして彼の指から、こぼれ落ちてしまったのだろう?
”わたしを選んで”といったから?
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